埼玉県八潮市の県道陥没事故、消防が捜索を再開するも短時間で打ち切り

埼玉県八潮市で発生した県道の陥没事故により、転落したトラックの運転手（70歳代男性）の行方が依然として不明のままとなっている。消防は9日朝、重機を使用して穴内部の捜索を再開したが、約30分で打ち切った。これは、手がかりが見つからなかったことに加え、さらなる崩落による二次被害の懸念が高まったためである。今後、消防は穴内部の捜索を続けるのではなく、運転席部分とみられるものが見つかった下水道管内の調査を検討する見込みだ。

消防によると、作業は午前7時半頃に開始され、約20人の消防隊員が重機を使用してがれきや土砂を撤去する作業を行った。しかし、運転手の居場所に関する手がかりは発見されず、捜索範囲を広げることでさらなる崩落の危険があるため、作業は約30分で終了した。

この事故は1月28日午前9時50分頃に発生した。交差点の中央付近が突然陥没し、トラックが転落した。運転手とは事故当日の午後1時頃まで消防隊員が会話できていたが、それ以降は連絡が取れない状態が続いている。

消防の捜索は今月1日夜に一時中断されていた。その理由として、穴の内部で水が湧き出ていたことや、事故現場の土壌がもろく、断続的に下水とみられる水が流れ込んでいたことが挙げられる。この影響で陥没した穴がさらに拡大する恐れがあった。県は穴につながる緩やかなスロープを2本造成し、周辺の土壌改良を行うなど、大規模な工事を進めながら捜索活動を継続してきた。